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庖厨備用倭名本草
四/水菜
鹿角菜(ろくかくさい/つのまた)〈◯中略〉 元升〈◯向井〉曰、西国にろくかくさいと雲あり、もとは大明商客の持〓る、近き比より天草辺の海中に出るといへり、其なりあひ鹿の角の如し、其色或は白きあり、或紫黄なるあり、本草註の説の如し、是即鹿角菜なること明らけし、今俗音に随てろくかくさいといひて、つのまたと雲、和名おしらず、日本も古より此菜お食したるなるべし、多識篇にひじきと雲は誤れり、