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古事記伝
十四
海蓴は古毛(こも)と訓べし、〈◯中略〉大嘗祭式に、紀伊国所献雲々、都志毛古毛(つしもこも)各六籠雲々、並令賀多潜女十人、量程採備とある古毛も是なるべし、さて此海蓴と雲物、いかなる物にか未考得ず、〈谷川氏雲、海草に古毛と雲物あり、小藻の意なるべし、保陀波良に似て、丸き物多くつけりと雲り、其にや、されど海蓴の字おあてたるお思へば、海に生て蓴に似たる物なるべくや、又燧杵に作れるお思へば、やヽ堅き物なるべし、〉なほよく尋ぬべし、