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皇国度制考

天御量とは、広成宿禰の自註に、大小量雑器等之名也と雲れし如く、謂ゆる度量権衡の大小雑器どもお言ふ、先師〈○本居宣長〉の紀伊殿に此書の義お聞え白されし時に、本に書入られし説も是に同じ、〈○註略〉其和幣と奉る種々の物の長短軽重多少お調へむ為の設けなり、其は、度量衡の異有れど、共に諸物お量る器なる故に、総て御量とは言へり、然れど其が中に尺度は主たる物なるに、〈其は度制まづ定まりて、量衡は是より出ればなり、〉況て此は宮造りの事お雲ふ所なれば、本文の御量は尺度お主とせること論ひなし、