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風流曲三味線

帯とかぬ枕物語禿の市弥、大臣の御乗物の見える程は立止りて、お土産に、鯨尺お買ふて来て下さんせといへば、雲八可笑く、鯨尺お土産に貰ふて何にすると問へば、大夫さまに、延びさんした客さん達の鼻毛お度すと、是お大笑ひにして、機嫌能く廓へ帰りぬ、