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古今要覧
器財
令小升大升大宝の時設けられし小大升は唐令と同じかるべし、よつて是お唐律六典通典等に通考するに、小尺の千六百二十寸お以て、小一石の積とし、是お三倍して大一石とするなれば、大一石の積、小尺の四千八百六十寸にあたる、その小尺は即今の曲尺の八寸三分三釐不尽にあたる、是尺一千六百二十寸は曲尺の九百三十七寸有奇にあたる、九百三十七寸お今量法六四五々にて帰除すれば、今量一斗四升五合一勺六撮七三有奇にあたる、是開元時量の三の一と明らかに通典にみえたれば、即唐律六典にのする黍量とおなじきものなるべし、是お小升とし大升おもとむれば、今の四斗三升五合五勺有奇お以て唐の大升とすべし、即是大宝の大小升なり、伊勢国安東郡在地倉付の升といふものあり、その大さ方六寸、深さ二寸五分とあり、六寸お自乗し三十六寸あり、二寸五分お乗じ九十寸あり、分積九万あり、今量お以てはかるに、一升三合九勺四撮おいる、疑らくは是令小升の遺制にや、