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東斎随筆
政道
延久〈○後三条〉善政には、先器物お作られけり、資仲卿蔵人頭にて、これお奉行せり、升お召よせて、とり〴〵御覧じて、簾お折て寸法などさヽせ給けり(○○○○○○○○○○○○○○)、米おば穀倉院より召寄て、殿上小 庭にて、貫首以下蔵人出納など検知して、小舎人玉たすきして量けり、本来おば紙屋紙に裹て持参りたりければ、叡覧有て、勅封お加へられてぞ、御持僧の許などへつかはされける、斛器は方なる匱お差す、石おくヽり下ておもしにして、二またの木に懸て、穀倉院にして、国々の米おば納られけり、仍何石とは、石の字お用也、件器石等、于【Kれ】今穀倉院に有といへり、