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古今要覧
器財
十三合升(○○○○)延徳の比の十合といふものは、式の十合おさすか、長保官升の十合おさすか、しるべからず、たヾし長保の升の十三合ならば、今の壱升二合六勺一撮にあたる、この升の九斗は、今の壱石一斗三升四合九勺許にあたる、是壱段の地の年貢なり、その比の壱段は、今の三百六十歩にあたれば、是お今の収納の法に比するに、上田三百六十歩にては、大抵一石八斗、中田は一石一二斗、下田は八九斗にいたるべし、是によれば延徳の時の一石一斗は、今の中田と相比して相応といふべし、然ればこの十三合升は、長保官升の十三合升なる事うたがひなく、併てこの比の十合といふもの、長保官升お用ひし事しるべし、請【K二】申御下地下作職【K一】事合壱段者御本所真光院殿右件御下地者、望申に付候て、あづけ被【Kれ】下処也、仍御本所之御年貢、并御公事物已下、類地のごとくたるべく候、名主作職之御年貢者、勘右衛門方の十三合の升にて九斗〈名主分六斗、作分三斗、〉宛、無【K二】干水損【K一】可【Kれ】納候、いづれも若無沙汰仕候はヾ、相当分何の下地にても候へ、可【Kれ】被【K二】押取【K一】候、就【Kれ】中下作事不【Kれ】得【K二】御意お【K一】、別人に契約仕事候はヾ、堅御ざいくわにあづかり可【Kれ】申候、又何時にても候へ、御下地お被【K二】取上【K一】候はヾ、他人に被【K二】仰付【K一】候とも、是非一言に及べからず候、仍為【K二】後日【K一】請文状如【Kれ】件、延徳四年四月二日弥三郎〈判〉 名主作職方、御年貢納御升、追而久我升に延而、御治定あるべき由心得べく候、 弥三郎