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日本永代蔵

世渡りには淀鯉のはたらき万の売掛する共、其人と次第に念比にならぬやうに常住の心入、商人のひみつ也、〈○中略〉有時西陣の絹織屋へ俵米売初、置替の約束も年々かさみて、算用はあひながら、その銀ふさがりて手まはしなりがたく、後は碓の音たえて鉤掛升(○○○)のみ残れり、掛商ひには分別有べし、