[p.0085]
本朝医談
内裏の薬殿は安福殿の内にあり、侍医薬生等候と拾芥抄に見えたり、ふるき薬升は此所にありしなり、福田方雲、本朝薬升の定法、大升者九合の升なり、公家の薬殿に用【Kれ】之、経【K二】年序【K一】畢、天平宝字年中、遺唐使常式所【Kれ】用は、一大升お以て為【K二】小四升【K一】、侍医出雲宿禰広貞が勘申所なり、典薬寮の御銚子は、九合升の三升納なり、湯薬方に常に所【Kれ】用者大升なり、小升者散薬等に用【Kれ】之、又小升者上径一寸、下径六分、深八分是なり、一説雲、方円二寸なり、又先所【Kれ】謂以【K二】大升【K一】為【K二】小升四升【K一】者、所【Kれ】勘者九合升の二合五勺お小一升にあつるなり、延喜式民部省諸国貢蘇、大一升小一升あり、上文によりて考るに、大升は九合、小升は二合二勺五才、