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梅園日記

匁字月堂夜話に、銀何匁と書、正字は文目おやつしたる者なり、一説に匁の字の内へ、片仮字のめの字お入たるなり、〈数学夜話、亦此説あり、〉按ずるに此説非なり、匁字は銭字なり、もろこしの書に出たるおこヽの人も記しおけり、〈○中略〉清の畢沅が中州金石記、宋の慶歴三年、准源廟銭鐘識に、下列【K二】拾【Kれ】鉄捨【Kれ】匁人名【K一】、銭字作【Kれ】匁見【K二】于此【K一】、或雲、泉字草書、〈○中略〉畢沅が或雲といへるは、明の趙官光が説文長揃に、泉草作【Kれ】匁とあるおさせるなるべし、○按ずるに、泉貨鑑に、明の崇禎通宝の背文お挙げて一匁とあり、亦一銭なるべし、