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商人職人懐日記

信州に涌出る金のべ沢の金山最中の時分、賑はしきに目とまり、万見めぐるに、〈○中略〉葉たばこは売て、きざみ売なきゆえか、鬧しき中に手々に菜切にして、あたら莨菪お粉灰にするお、是はと思ひ寄、合口斗残りしお売て、うすば一丁、たばこ壱斤求めて、竹のはかり、石のおもり(○○○○○)して、小屋々々お売あるく、