[p.0076]
百練抄
四後朱雀
長久元年九月九日、皇居上東門院焼亡、主上〈◯後朱雀〉先御法成寺東金堂廊、内侍所神鏡(○○○○○)在灰燼中焼損、神鏡在灰燼中、遣蔵人頭左中将資房、左少将経季等令求之、〈◯中略〉 九月十二日、諸卿於御前定申火事以後雑事、又定申神鏡焼損事、任寛弘二年例、可被行之由定申了、
◯按ずるに、禁秘御抄賢所の条に、長久焼亡、少納言経信欲奉出、火盛不合期、而有光入唐櫃、実不焼と記させ給ひしは、順徳天皇の深き叡慮ありての事なるべし、焼損せしことは、上文に掲げたるが如し、