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愚管抄

内裏には信頼、〈◯中略〉紫宸殿の大床にたちて、よろひとりてきける時、大刀契の唐櫃の小かぎお守刀に付たりけるお、師仲は内侍所の御体おふところに入て持たりけるが、たべ〈◯給への義〉そのかぎこれにぐしまいらせてもたん、その刀に付て無益なりといひければ、まことにとてなげおこせたりければ、とりていづちも御身おはなれ申まじきぞとて、あいずりの直垂おぞきたりける、