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神皇正統記
後醍醐
同〈◯延元元年〉十二月に忍びて都お出まし〳〵て、河内の国に、正成といひしが一族等おめし具して、芳野にいらせ給ひぬ、行宮おつくりて渡らせ給ふ、もとの如く在位の儀にてぞまし〳〵ける、内侍所(○○○)もうつらせ給ひ、神璽(○○)も御身にしたがへ給ひけり、誠に奇特の事にこそ侍りし、