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応永記
応永六年〈◯中略〉十月十三日、大内左京権大夫義弘入道和泉の堺の浦に着き、〈◯中略〉絶海和尚〈◯足利義持使者〉に対面す、〈◯中略〉大内上意の通り、亦御教誡の旨、畏て承り候、〈◯中略〉某、〈◯義弘〉南朝御和睦の事お取申し、両朝一統するのみに非ず、三種の神器お当朝に納む、凡神器と申は、大国の秦の李斯が、藍田の玉にて造りし印璽には替りて、忝も天照大神より相伝はりて、帝々相伝したまふ三国無双の霊寳とこそ承候へ、是又非随分忠節乎、