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正保遺事
内侍所御辛櫃(○○○○○○)の内は、代々の帝叡覧せさせ給はざる事にぞありける、然はあるにこの御門〈◯後光明〉御辛櫃お開かせ、つばらに叡覧ありしに、いつの比何ものか蔵めつらん、御櫃の内よりあやしの仏舎利ぞ出来にけり、帝あないまはしの物とて、たヾちに庭上にすてさせ給ひけるとなむ、或雲、その時の女房ひそかにさだして、非蔵人赤塚何某おもて、彼仏舎利おとりのけ、泉涌寺へおくりおさめられしとぞ、