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続古事談
一王道后宮
神璽寳劔(○○○○)神の代より伝はりて、御門の御守りにて、更にあけぬる事なし、冷泉院うつし心なくおはしましければにや、しるしの筥のからげ緒解てあけむとし給ければ(○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○)、筥より白雲たちのぼりけり、おそれてすて給たりければ、紀氏の内侍本の如くからげけり、寳劔おもぬかんとし給ければ(○○○○○○○○○○○○○)、夜の御殿ひらひらとひかりければ、おぢてぬき給はざりけり、