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万葉集略解
二十下
みかどヽ雲は、こヽは天皇お申奉れり、直ちに天皇おさし奉るは恐あれば、朝廷(みかど)おいひて、やがて天皇の御事なり、あめとは尊ていへり、古今集古注に、あめのみかどあふみのうねめに給る歌とあり、あめのみかどは、天智天皇お申すといふはかたくなヽり、採女は諸国より貢すれば、近江の採女とても、必近江の朝〈◯天智〉とするはひが事なり、