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太平記

主上上皇御沈落事
何くより射る共知らぬ流矢、主上〈◯光厳〉の左の御肱に立にけり、〈◯中略〉忝も万乗の主(○○○○)、卑き匹夫の矢前に被傷て、神竜忽に釣者の網にかヽれる事、浅猿かりし世中也、
◯按ずるに、万乗之君、孟子公孫丑に見えて、同書梁恵王篇、万乗之国の注に、万乗之国者、天子畿内、地方千里、出車万乗とあり、