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神皇正統記
持統
皇子草壁わかくまし〳〵しかば皇后〈◯持統〉朝にのぞみ給ふ、戊子のとしなり、庚寅の春正月一日、即位、
◯按ずるに、持統天皇は、日本書紀に依るに、朱鳥元年丙戌に、皇后お以て朝に臨み制お称し、其翌年丁亥お以て元年と称し、其三年己丑四月に、草壁太子薨じ、四年庚寅に、皇后より天皇の位に即きたまへり、然るに皇年代略記に、庚寅の歳に草壁太子薨じ、辛卯に持統天皇即位と為し、神皇正統記に、戊子の歳の臨朝とするは並に誤なり、