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御湯殿の上の日記
永禄二年十一月二十八日、かんろじながはしへめして、よしのほうへい〈◯正親町〉ことしおこなはれたきがいかヾのよし関白へおほせらるヽ、十二月一日、かんろじ経元して関白へよしのほうへいの事、ことしおこなはれたくおぼしめし候がいかヾよしおほせらるヽ、御かへり事に、年のうちもおこなはれたるれいあるかにて候まヽ、おこなはれてもくるしからざるかのよし申さるヽまヽ、ことしおこなはるべき也、 十一日、けふよしのほうへいにてぢんのぎあり、じやうけい万里小路大納言、弁かんろじつねもと、神祇官へはにはかにかりさいもくの事つきてくるヽまヽ、けふは神祇官へはゆかず、 十二日、神祇官へはけふかりさいもくの事とヽのほりてする〳〵とありて、御はいになる、日の御ざにぎよけんない〳〵にておかるヽ、御れん頭弁頼房まいる、御はいのやういつものごとく、よしのほうへいの日のまへ、三日より御しんしにてさしあひたるものしゆうふくきやうふくなどもいたさるヽ、そのヽちより三はいてうなる、 二十五日いせのさいし、よしのほうへいする〳〵とありてめでたし、よしさいし申て一まんど御はらい参る、