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常憲院殿御実記
十五
貞享四年三月五日、こたび京の御即位によて進献の制お令せらる、
大内へ、三十万石以上銀三十枚、十万石以上二十枚、五万石以上十枚、本院新院へ、三十万石以上二十枚、十万石以上十枚、五万石以上五枚、中宮へ、三十万石以上十枚、十万石以上五枚、五万石以上三枚、但五万石以下にても四品以上は、上に同じく献ずべしとなり、 四月七日、京御即位の慶賀使お立らる、保科肥後守正容奉はり、高家大沢右京大夫基恒差添命ぜられともに暇給ふ、よて今上〈◯東山〉に城州国行の御大刀、銀五百枚、綿五百把、本院〈◯明正〉御大刀、銀二百枚、綿三百把、仙洞に備前延房の御大刀、銀二百枚、綿三百把、女院に銀百枚、綿二百把、女五宮に五十枚百把進ぜられ、摂政兼輝公〈◯一条〉に御大刀、銀百枚、両伝奏に御大刀、銀五十枚づヽ、内侍に銀五十枚、大乳人に三十枚なり、