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栄花物語
三十八松の下枝
しはすの八日〈◯延久四年〉おりさせ給、〈◯後三条〉このちかく成てはおもくわづらはせ給て、おりさせ給にいと哀なり、あひもおもはぬなど、弘徽殿の壁に伊勢がかきつけけんなどおもひいでられて、なに事にもめのみとまる、おりさせ給て弘徽殿におはしまして、十六日にこそ、関白〈◯藤原教通〉どのヽおはします、二条殿にいでさせ給ぬる、