[p.0546]
続世継
三花園の匂ひ
廿三におはしましヽ御とし、御やまひおもくて、わか宮〈◯六条〉にゆづり申させ給て、いくばくもおはしまさヾりき、よき人はときよにもおはせ給はで、久しくもおはしまさヾりけるにや、末の世いとくちおしく、みかどの御くらいはかぎりある事なれど、あまりよおとくうけとりておはしましけるにや、又太上天皇てうにのぞませ給つねの事なるに、御心にもかなはせ給はず、よのみだれなほさせ給ほどといひながら、あまりにはべりけるにや、よくおはしましヽみかどとて、よもおしみたてまつるときこえ侍る、二条院とぞ申すなる、