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増鏡
一おどろの下
永治のむかし、鳥羽の法皇しゆとく院の御心もゆかぬにおろし聞えて、近衛院おすえたてまつり給ひし時は、御門〈◯崇徳〉いみじうしぶらせ給ひて、その夜になるまで、勅使おたび〴〵たてまいらせ給ひて、内侍所けんじなどおもわたしかねさせ給へりしぞかし、さてその御いきどほりのすえにてこそ、ほうげんのみだれもひきいで給へりし、