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北条九代記
十二
後醍醐帝践祚
文保二年二月二十六日、京都には御譲位の御事あり、主上〈◯花園〉今年二十二歳、春宮〈◯後醍醐〉はすでに三十歳にあまり給ふ、すでに東宮に立て御年三十一歳にならせ給へば、後宇多法皇お初めたてまつり、その方ざまの人々は待兼させらるべしとて、関東より計らひ申て、同廿九日御位に即給ふ、〈◯節略〉