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源平盛衰記
三十七
一谷落城事
東西より火に責られ人に被責て、皆舟にのらんと渚に向け落行けるも、海へのみこそ馳入けれ、〈◯中略〉先帝〈◯安徳〉お始進せて、女院北政所二位殿三位殿已下の女房達、大臣殿父子〈◯平宗盛及子清宗〉已下の人々は、兼てより御船に召て、海上に出浮てこれお被御覧、いかばかりの事おか思召けんと哀なり〈◯又見平家物語〉