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続古事談
二臣節
四条大納言隆季、或人に問雲、行幸の幸の字、是おもちいる何の故ぞ、其人え荅へざりけり、そばにて梅小路中納言長方、〈◯中略〉御行にはたヾ行の字お用る事、小野宮水心抄などと雲古き日記には、皆御行とかきたる也、たヾし世の末ざまには、上皇の御ゆきみな勧賞あり、されば幸の字用るも、議たがはざる事なり、仙院の渡御おば御行と雲ふ、帝王の御出おば行幸と雲ふなり、御行もとよりみゆきなり、行幸も又みゆきとよむなり、