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大和物語

亭子のみかど、川尻におはしましにけり、うかれめに、しろといふものありけり、めしにつかはしたりければ、参りてさふらふ、かんたちめ、殿上人、みこたちあまたさふらひ給ひければ、しもにとほくさふらふ、かうはるかに、さふらふよし歌つかうまつれと、仰られければすなはちよみて奉りける、
浜千鳥とび行かぎり有ければ雲立山おあはとこそみれ、とよみたりければ、いとかしこくめで給ひて、かづけものたまふ、〈◯又見大鏡〉