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見聞草三集

修学院御幸の記
文政五年、院の御所、〈◯光格〉御養生の為、年中両三度、修学院御遊歴の御幸お、関東より仰せ進ぜられ奏聞の処、叡感浅からざりし由、両伝奏の書状、并に所司代よりの書状、五月下旬江府に到来せしとなん、〈◯中略〉後水尾帝、宮殿お造らせ離宮としたまふ、十境八景、おのづからありて異なる勝地なり、霊元法皇、享保六年九月廿七日御幸有て、其後年毎に其事ありしに、東山院に至りては絶たるお、又古の如く宮殿お改め造られて、めづらかなる事ならんかし、