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大鏡
五太政大臣伊尹
花山院は、風流者にこそおはしましけれ、〈◯中略〉入道殿(○○○)〈◯藤原道長〉のくらべ馬せさせ給し日は、むかへ申させ給けるに、わたりおはします日の御よそほひはさらなり、おろかなるべきにもあらねど、それにつけてもまことに御車のさまこそ、又よにたぐひなくさふらひしか、御くつにいたるまで、たヾ人の見ものになる計こそ、のちにはもてあるくとうけ給りしか、