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栄花物語
十七音楽
御堂供養、治安三年七月十四日と定めさせ給、〈◯中略〉春宮〈◯後朱雀〉の行啓あり、事の由奏して、御車かきおろして、中門のとよりえん道敷てあゆみ入らせ給、御車に閑院のおとヾ〈◯東宮傅藤原公季〉つかうまつらせ給へり、宮いみじうひはやかにめでたういらせ給、行幸にありさまことなれど、いみじうなまめかしう心ことなり、大夫よりはじめ、宮司殿上人つかうまつれり、