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続世継
二紅葉の御狩
白河院〈◯中略〉延久四年十二月八日、位につかせ給ふ、〈◯中略〉次の年の五月に、後三条院かくれさせ給ひにしかば、国のまつりごと、廿一の御年よりみづからしらせ給ひて、位におはします事十四年なりしに、三十四にて位おりさせ給ひて後、七十七までおはしましヽかば、五十六年国のまつりごとおせさせ給へりき、〈◯中略〉この院は、ちヽの太上天皇〈◯後三条〉世おしらせ給し事いくばくもおはしまさず、さきの御なごりにて、一の人のわがまヽにおこなひ給もおはせねば、若くより世おしらせ給て、院の後は、堀河院、鳥羽院、讃岐の院〈◯崇徳〉御こ、まご、ひヽこうちつヾき、三代のみかどの御代、皆法皇の御まつりごとのまヽなり、かく久しく世おしらせ給事は、昔もたぐひなき御ありさまなり、後二条のおとヾ〈◯藤原師通〉こそおりいのみかどのかどに、車たつるやうやはあるなどのたまはせける、それかくれ給て後は、すこしもいきおと〈◯おと一本作おも〉たつる人やは侍し、