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五代帝王物語
後堀河院、位に即せ給べきに定て、関東より馳せのぼりて申ければ、後高倉の法皇〈◯守貞〉は、折ふし持仏堂にわたらせ給ひけるが、後世の障となるべし、ふつとかなふまじきと仰有けるお、北白河院〈◯守貞妃陳子〉のいかにかヽる事おば思食さるヽぞ、宮々の御ためも、傍めでたかるべし、子細あるまじと申勧めまいらせて、御領掌有けり、〈◯中略〉さて法皇は太上天皇の尊号ありて、世おしろしめす、