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増鏡
十一今日の日蔭
又の年〈◯正応三年〉二月の比、一院〈◯後深草〉御髪おろし給ふ、年月の御本意なれど、たゆたひ過し給けるに、禅林寺殿〈◯亀山〉こぞの秋おぼし立にしに、いとヾおどろかされ給ぬるにやありけむ、二月十一日、亀山殿にて御いむ事受させ給ふ、四十八にぞならせ給ふ、御法名素実と申也、