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源氏物語
二箒木
心深しやなどほめたてられて、あはれ進みぬれば、やがて尼になりぬかし、思ひ立程はいと心すめるやうにて、世にかへり見すべくも思へらず、〈◯中略〉つかふ人ふるごたちなど、君の御心はあはれなりけるものお、あたら御身おなどいふに、自らひたひ髪(○○○○)おかき探りて、あへなく心ぼそければうちひそみぬかし、