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続日本紀
三元明
慶雲四年六月辛巳、天皇〈◯文武〉崩、 十一月丙午、誄人奉誄、諡曰倭根子豊祖父(やまとねことよおほぢの)天皇、
◯按ずるに、本書文武天皇紀には、天之真宗豊祖父(あめのまむねとよおほぢの)天皇に作る、故に大日本史には彼此併称して、倭根子天之真宗豊祖父天皇と雲へり、此後元明天皇に日本根子天津御代豊国成姫(やまとねこあまつみしろとよくになりひめの)天皇と称し、元正天皇に、日本根子高瑞浄足姫(やまとねこたかみづきよたらしひめの)天皇と称し奉るが如き、並に史に明文の徴とするに足るもの無しといへども、大日本史に、諡号とするもの是なるが如し、