類聚雑例

長元九年五月一日戊寅、関白相府〈◯藤原頼通〉等、於殿上被定御正日雑事、〈◯中略〉又有可奉称号之儀、相府命雲、尋一条院御時例無宣旨、隻奉称一条院雲々、仍准彼例、奉称後一条院(○○○○)如何、彼此被申雲、甚佳事也、
◯按ずるに、此次後朱雀後冷泉の二帝、奉号の事所見なし、拾芥抄に、朱雀院、累代後院とあれども後朱雀同院に移御のこと、是亦徴証なし、後冷泉は、是も拾芥抄に、冷泉院、累代後院とありて、扶桑略記に、永承天喜の間、同院に遷幸の事あり、是れ後冷泉と号する所以なるべし録して参考に供す、