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増鏡
三藤衣
初めはけんとく院と定め申されたりけれど、おはしましヽ世の御あらましなりけるとて、仁治の頃ぞ、後鳥羽とは、更に聞え直されけるとなん、
◯按ずるに、文におはしましヽ世のあらましと雲ふ、あらましとは予定と雲はんが如し、蓋し遺詔お奉ずるならん、記して疑お存す、