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高畠敬筆記
泉涌寺御代々陵の作様は、地お堀ること二間四方、松板一尺二寸厚さの木お以て、一丈四方の船お作り、其中に納め、其内お厚一尺の作り石にて築堅む、〈作石とは、石灰たヽき土のことなり、〉其内へ六尺四方の石の御棺お納む、〈白川石なり〉其内へ御棺お納む、御棺は檜の厚一尺の木お以て作る、其上は厚八寸の板お以て天秤指に作り、其上箱は八寸の板お以て造り、ちやん流し、厚五寸以上、御棺三重なり、目方凡三百貫目余、御石棺の厳重になりしは、桃園院より始るといふ、