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新葉和歌集
十六雑
正平七年きさらぎの十日余り、吉野にまうでヽ、塔尾の御陵〈◯後醍醐〉など見奉りけるに花はまださかぬ頃にて、よろづものあはれにおぼえければ、思ひつヾけ侍ける、
                    祥子内親王
さく花のちるわかれにはあはじとてまだしきほどおたづねてぞ見る