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山陵考略
式〈◯延喜〉佐保山南陵、聖武天皇、在大和国添上郡、奈良の北、法蓮村眉間寺の山上に在、久安年中に、当寺お建て後、陵地お削れる事は山陵志に委し、但今も猶後面には環池の跡みえたり、此陵は東大寺より守護して、祭祀解怠なし、陵地の全くして、事実の分明ならぬには猶勝れりと雲べし、〈按に、此地戦国の時、松永氏城お築くと雲伝ふ、損壊も蓋当時の所為にも有べきなり、〉