文久紀事

於京都申渡候書付
　　二月十日〈◯元治元年〉　　　　　　　　　　　　　　　　　戸田越前守名代
御刀〈白鞘、美濃国兼信、代金二十五枚、〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　秋元但馬守
山陵御修補之御用相勤、今般神武天皇御陵お始、千載お過候御場所、追々御修補御成功相成候段、朝廷御尊崇之御趣意深相弁、公武之御為厚相心得候より之儀と、一段事に被思召候、依之御刀拝領被仰付之、
　　同文言
右之通於京都申渡候事
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　神保山城守神武天皇御陵之儀者、其方知行所内に被為在、今度御修補に付、松材数本御用に相成、御満足被思召候、依白銀二十枚御所より賜候旨、伝奏衆被相達候間、此段相達候、猶銀子之儀者、御納戸頭申談、請取頂戴候様可被致候、
　右二月廿七日〈◯元治元年〉