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五代帝王物語
関白〈◯藤原家実〉の女、〈◯長子〉才に九歳にて、六月〈◯嘉禄二年〉参り給て、やがて廿九日立后、〈◯後堀河后〉ゆヽしくてさふらひ給ふほどに、嘉禄二年十二月関白おとヾめられて、前摂政〈道家光明峯寺殿〉成かへり給にければ、中宮の御光も隠れて、又その関白の御女〈◯竴子〉参り給へば、中宮おりさせ給ひぬ、よしなかりける中かなと上下思ひたりけり、