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台徳院殿御実紀
五十二
元和六年六月十八日、都にてはけふ女御〈◯後水尾后徳川和子〉入内し給ふ、〈◯中略〉 廿二日、内にはけふより廿四日迄、摂家清華の人々、あるは法親王たち女御の新殿へ参りあひ、おもひおもひに御祝ひのもの奉りことぶかる、権中納言の局万にうけはり沙汰す、 廿五日、武家の輩とり〴〵御祝物さヽぐ、酒井雅楽頭忠世、土井大炊頭利勝はじめ、内にも女御の御方にもささげものすれば、両伝奏御使して、この輩にも御大刀お給はり、女御の御方よりも金に御衣そへてかづけられ、女院よりも時服下さる、