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栄花物語
三様々の悦
かくて十月〈◯寛和二年〉になりぬれば、御禊大嘗会とて世のヽしりたり、みかど〈◯一条〉なヽつにおはしませば、御こしにはみや〈◯母后詮子〉もろともにたてまつるべければ、みやのおほんかたの女ばうなどさま〴〵いみじうのヽしりたり、女御代の御ことなどすべて、よのいみじき大事なり、
◯按ずるに、此女御代は詳ならず、大嘗会御禊事、一条天皇の条に、女御代尚侍妥子歟〈摂政兼家公女〉と疑へり、