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増鏡
五内野の雪
こぞ〈◯仁治三年〉より、中宮〈◯藤原吉子〉は、いつしかたヾならずおはします、六月〈◯寛元元年〉になりて、〈◯中略〉十日のあけぼのよりその御気しきあれば、殿のうちたちさわぐ、〈◯中略〉内〈◯後嵯峨〉には更衣ばらに、わか宮二所おはしませど、此御事おまち聞え給ふとて、坊さだまり給はぬほどなり、