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続世継
二玉章
さてこの御時にみやす所(○○○○)はこれかれさだめられ給へりけれども、御おばの前斎院〈◯後三条皇女篤子〉ぞ女御にまいり給ひて中宮にたち給ひし、ことのほかの御よはひなれど、おさなくよりたぐひなくみとりたてまつらせ給て、たヾ四宮おとかや仰せられければにや侍けん、まいらせ給ひけるよも、いとあかぬ事にて、御車にもたてまつらざりければ、あか月ちかくなるまでぞ心もとなく侍ける、鳥羽の御門の御母の女御どのもまいり給ひて、院もてなし聞えさせ給へば、はなやかにおはしましヽかども、中宮はつきせぬ御心ざしになんきこえさせ給ひし、