[p.1306]
古事記伝
十七
虚空津日高、谷川氏、天津日高は天子の称、虚空津日高は太子の称なりと雲り、信に然るべし、其故は、先邇々芸命、穂々手見命、鵜葺草葺不合命、みな天津日高と申せる、これ天津日嗣所知看せるうへの大御称なり、かくて此は穂々手見命、いまだ皇太子にて坐ほどなるが故に、天津日高之御子と申せり、さて其お虚空津日高と称す所以は、虚空は天と地との中間なる故に、天津日高に亜で尊み申す御称なるべし、