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北史国語考
名太子為利歌弥多弗利、〈上の利は和の訛りなり〉按に、わかみとほりと訓べし、中昔の仮字書どもに、わかむどほりと見えたるは、此語お訛れるなり、〈◯中略〉此語の本意おいまだ詳に明したる説なし、故つら〳〵稽ふるに、疑ふらくは、稚子御統(わこみとほり)の義なるべし、